オスグッド病

東海市の鍼灸整骨院コラム

Osgood病

概念

1903年にOsgood と Schlatterにより報告されたOsgood (Schlatter) 病は、成

長期の脛骨近位端(脛骨粗面)の骨突起部に発生する一種の骨端症である。

病因・病態・病理

発症原因としては、古来、外傷説、血行障害説、骨化障害説などがいわれてきた。

最近では、脛骨粗面に付着している膝蓋靭帯による牽引力による小外傷の繰り返しによる overuse syndrome の1つと考えられている。すなわち、成長期の骨の急激な成長は、大腿四頭筋の過緊張と相対的拘縮状態を起こす。そのためにランニング、ジャンプ、サッカー、うさぎ跳びなどの際に大腿四頭筋による繰り返しの牽引力が膝蓋靭帯を介して脛骨粗面に働き、付着部の小裂離と修復が反復されて発症するというのである。

さらに発症しやすい素因として、Q-angle の強い例、0 脚、 X 脚などextensor apparatusの軸に極端な動揺のある mal-alignment も考えられている。

臨床像

外見的には脛骨粗面部に骨隆起がみられ、その部分に自発痛、運動痛、圧痛が認められる。とくに大腿四頭筋を強く収縮させるジャンプやサッカーボールを蹴るとき、正座に際して床面に接するときに疼痛が顕著になる。

局所の軟部組織の腫脹も伴うが、発赤や熱感はないのが普通である。前述のように大腿四頭筋の相対的拘縮状態を起こしているので、尻上がり現象がみられることがある。

さらに発症しやすい素因として、前述の下肢alignment に異常がみられることがある。

診断

上記臨床所見とX線側面像で診断する。膝蓋靱帯付着部の脛骨粗面部に軟骨性の膨隆や辺縁の不整像、骨端核の分離や遊離がみられる。さらに遊離骨片が膝蓋靭帯のなかにまで及んでいることがある。

治療

古賀は Blazinaの膝蓋初帯炎の病相分類に準じて、Osgood 病の病相に応じた治療方針を提唱している。

それによると、一般的指導としても治療や再発防止のためにも、まず発生要因への対策が重要である。大腿四頭筋のストレッチングはすべての症例に対しても、運動前後に行うように指導すべきである。

装具療法として、以前は膝伸展位ギプスで数週間固定する方法もあったが、筋萎縮などによりスポーツ復帰が遅れることがあり、最近は行われていない。

これにかわるものとしてベルクロ固定による膝伸展位保持軟性装具が用いられることがある。また、脛骨粗面部直上部で膝蓋腱を圧迫するストラップ(バンド)による固定は簡便で有効な方法である。さらに下肢に mal-alignment のある場合には、その矯正の目的でヒールウェッジが必要なこともある。

除痛を目的として、アイスマッサージ、各種の消炎鎮痛剤の外用や内服、局所麻酔薬の疼痛部位への注射療法がある。ステロイド剤の注入法もあるが、これは組織の劣弱化をもたらすので連用は慎むべきである。

手術療法としては、古くから遊離骨化核の早期癒合や血行改善を目的として、自家血の注入、ドリリングや骨釘移植が行われた。最近では脛骨粗面の過隆起や遊離骨片による難治性疼痛のある場合に、隆起部の切除術や遊離骨片の摘出術が行われる程度である。

疼痛の激しい症例に対してはスポーツの禁止もやむをえない場合があるが、その際には患部に影響のないトレーニングを指導して、可及的速やかなスポーツ復帰を心がけるべきであろう。

予後

一般に Osgood 病は成長終了時には疼痛がなくなるが、なかには骨性隆起や遊離骨片が残存し、疼痛が持続する場合がある。

症状

脛骨結節(お皿の下の骨)が徐々に突出してきて、痛がります。時には、赤く腫れたり、熱を持ったりします。休んでいると痛みが無くなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。
発育期のスポーツ少年に起こりやすいのが特徴です。

予防と治療

成長期の一過性の病気で、成長が終了すると、多くは治癒します。この時期はスポーツを控えることが大切です。
上記の症状を強くさせないためには、大腿四頭筋のストレッチングやアイスマッサージなどを行い、痛みが強いときのみ、内服や湿布をします。

スポーツ復帰

痛みがなくなればスポーツは可能です。
発症後3~6ヵ月はスポーツをすると症状が強くなるので、スポーツ前後に上記ストレッチングやアイスマッサージ、ベルトの装着などをした上でのスポーツすることをお勧めします。